制振ダンパーは意味がないのか?地震対策の疑問について解説

住宅の地震対策として「制振ダンパー」が注目されています。

しかしながら「制振ダンパーは意味がないのではないか?」という疑問がインターネット上で散見されており、効果について懐疑的な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、制振ダンパーの考え方や効果について解説します。これから住宅を建てる際や、既存の住宅への地震対策知識として役立ちますので、ぜひご一読ください。

制振ダンパーとは


制振ダンパーとは制震装置の一種です。制振とは文字どおり「振動を制する」ことを意味し、これを実現して建築物自体やその構造が地震などによって振れてしまうことを抑える装置のことを制振ダンパーといいます。
構造内に組み込んだ「ダンパー」と呼ばれる装置が地震の揺れに合わせて変形することによってその振動エネルギーを吸収し、揺れを減衰させて建物の構造にダメージが伝わることを防ぐ効果があります。

ダンパーには複数の種類があり、ゴムや樹脂系、金属系、油圧系など素材や、筋交いダンパー、仕口ダンパーなど形状や取付方法によって異なります。いずれも揺れに対して変形することで作用し、地震エネルギーを吸収してくれるという効果は同じです。

制振ダンパーの種類や形状による比較を詳しく解説した記事がありますので、併せてご覧ください。
>『制震ダンパーを徹底比較! 種類と形状、失敗しない選び方とは』

耐震構造があれば十分で制振ダンパーには意味がない?

住宅に関する情報としてよく耳にする「耐震構造」という言葉は、地震の揺れに対しても耐え得る頑丈な構造のことを指します。いわゆる「堅い家」を体現する構造で、耐震という考え方には耐震等級の基準も存在するほど主流なものとなっています。

耐震等級について詳しくは以下の記事をご覧ください。
>『耐震とは』

「耐震構造が十分であれば地震対策としては問題ないのでは」という考えも持たれるかもしれません。この疑問への回答は明確に「No」です。建築基準法も満たし耐震構造も備えた住宅であっても、近年の大型地震で倒壊や内部の破壊によって住めなくなった住宅が多く発生した事実があります。なぜなのでしょうか。

「耐震」は繰り返す揺れに弱い


上の表をご覧ください。これは2016年の熊本地震で発生した地震の回数をまとめたものです。最大震度7の地震が二度も発生したことが注目を集めましたが、なんと震度5以上の揺れでは22回、それ以下の揺れは3700回以上も発生していたのです。

この地震では何度も発生する揺れによって建物の耐震性能が劣化し、一度は耐えた建物でも最終的に破壊や破損が発生してしまったのです。耐震構造は非常に重要で建物を守る要ではありますが、耐震は堅さを増す反面、衝撃を逃がせず負荷が高まるというウィークポイントがあります。そのため繰り返す余震によって構造自体が変形・損傷する可能性が高くなります。

そもそも建築基準法における耐震の定義は、「震度5以下の中規模な地震に対しては大きな損傷はしない。また、震度6以上の大地震に対しては、居住者の生命を守る(倒壊しない)こと」とされています。つまり定義上、決して「家が一切壊れないようにする」ことまでは定めておらず、余震への考慮はされていないのです。

だから繰り返す揺れに対して住宅を守る性能が必要なのです。

制振ダンパー単体では意味ない?耐震とのセットが効果的


耐震だけでは不十分であり、制振という考え方に注目が集まる理由をお伝えしました。

しかしながら、制振ダンパーをただ取り付ければ安心というものではありません。制振ダンパーは揺れを抑えて耐震性能を守るためのものですので、単体では十分な意味はなく、耐震構造とセットで組み込むことで最大の効果を発揮します。

「制振ダンパーは意味がない」という意見は誤りであり、「制振ダンパーだけでは本来の効果が期待できない」というのが正しい解釈になるでしょう。

制振ダンパーが揺れの衝撃を吸収し、堅く頑丈な構造を変形させず守り続けられる住宅。いわば「剛」と「柔」を併せ持った住宅が理想です。

わずか3mmの揺れにもしっかり効く制振ダンパー『evoltz(エヴォルツ)』


制振ダンパーには多くの種類や製品が存在します。ところがその多くが震度5以上から効果を発揮するものであり、それでは制振ダンパーに求められる役割を果たすことができません。

数ある制振ダンパーの中できわめて信頼性が高く、効果を期待できるダンパーとして「evoltz(エヴォルツ)」をご紹介します。

「evoltz」は耐震構造と併せて用いる前提で最大限の効果を発揮する制振ダンパーで、以下のような特徴を有します。

  • ビルシュタイン社の技術と特許技術「バイリニア特性」
  • わずか3mmの揺れから効き始め余震・共振にも効果を発揮
  • 10年保証、耐久性にも優れた商品

 

ビルシュタイン社の技術と特許技術「バイリニア特性」

「evoltz」は、世界の多くの自動車メーカーがトップモデルに採用するショックアブソーバーを手がける「ビルシュタイン社」の持つ品質・信頼性の高い技術を採用しています。振動への働きという点で世界トップクラスの制振ダンパーです。

また小さな揺れの領域から大きな減衰カを発揮し、大きな揺れの領域でも減衰力をそのまま維持するという、特許技術「バイリニア特性」も有し、圧倒的な性能を誇ります。

わずか3mmの揺れから余震・共振にも効果を発揮

「evoltz」最大の特徴はその効果です。わずか3mmという、人がようやく感知し始める小さなレベルの揺れにおいても効果を発揮します。

バイリニア特性により、耐震構造だけでは防げない共振(地震の周期と建物の固有周期が一致した場合に発生する現象で、揺れに従って振幅が次第に増加していき倒壊につながる)の振れ幅も抑制することが可能なため、あらゆる揺れに対して柔軟に働きます。

実際に「evoltz」の性能を確認できる動画がありますので、ぜひご覧ください。

 

10年保証、耐久性にも優れた商品

 

「evoltz」 は油圧式の制振ダンパーで、ガスとオイルが独立して封入されていることが特徴です。中のオイルが外気に触れない構造で経年劣化を防ぐことができ、その結果、業界で最長の20年保証を実現しています。

また住宅業界で唯一100万回の作動耐久試験、-20℃から80℃の環境温度試験をクリアしており、メンテナンスフリーが必要不可欠な制振装置において「evoltz」は経年劣化、耐久性の側面において強い制振ダンパーと言えます。

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既存の伝統構法建築やリフォームなどにも採用可能

「evoltz」が設置できるのは新築住宅だけではありません。既存住宅にも取り付けることで揺れの衝撃を吸収し、内部損傷をおさえることができます。伝統構法の老舗旅館や神社、寺院に設置した実績もあります。

また、耐震リフォームにも対応可能です。例えば窓やドアなど開口部の上部に設置できる間取りへの制約が無い小型タイプや、天井・床を剥がすことなく施工可能なタイプも用意されています。

まとめ:制振ダンパーは意味がない?

制振ダンパーは意味がない、という意見は誤りであり、「制振性能だけでは不十分だが、耐震性能を守るものとして必要不可欠になりつつある」ということをお伝えしました。

昨今の大型地震から住宅を守るには耐震性能だけでは不足であり、繰り返す揺れのダメージから耐震性の劣化を防ぐという考え方が必要で、それを実現するのが制振ダンパーです。

優れた制振ダンパーはわずかな揺れから効果を発揮します。数ある制震ダンパーの中でも特に「バイリニア特性」によってわずか3mmの揺れから作用しはじめる「evoltz」は圧倒的に高性能であり、制振ダンパー本来の「意味」を体現しています。

制振ダンパーについてより詳しく知りたい方に向けて、無料の資料をご用意しました。ぜひご覧ください。